そなたはこの世界にとどまるべき人間ではありません

   

前回は話の流れで「単語眺め星人」なる造語ができあがりましたが、皆様いかがお過ごしですか。英語の成績を上げたいとなったときに、ろくに志望校の合格得点ラインや傾向も調べず、自分のミスの多い単元や傾向の分析もせず、「とりあえず読めない単語が多かったから単語がんばる」で終わらせていませんか。単語帳をただ眺めて、勉強した気になっていませんか。そもそもその志望校は、本当に、あなたが心の底から行きたい大学なのですか。そんな特大ブーメランが、今までの大まかなあらすじであります。私はブーメランが刺さりすぎてすでに瀕死状態です。

まあぶっちゃけ「そうは言ってもじゃあ脱・眺め星人するためにはどうしたらいいのかわからん」「てか自分は眺め星人じゃないし。そいつらまじ愚かすぎて草」的な場合もあるかと思いまして、今回は眺め星人の例を、私の実体験を元に書き出してみようと思います! レッツ・自らの傷を抉っていくスタイル!!


10代の頃の私の練習環境列挙

ひとくちに水泳経験者といってもバックグラウンドは千差万別ですから、10代の私と水泳の関係をざっと紹介しますね。小中高入り乱れてます。



・10歳手前? くらいのときにスイミングスクールの選手クラスへ
・その年のJO(全国ジュニアオリンピックカップ)出場者はいたりいなかったりなレベルのクラス
・練習頻度は週7回前後、長期休暇は2〜3部練あり
・水中練習2〜3時間+陸での筋トレ15分前後が一般的
・絶対にクリアできない設定の練習がだいたい毎回ある 理由は知らない
・併設のジムが一瞬使用OKになったけどなぜか15分のバイクのみだった

・野球部上がりで、プールサイドでランニングさせるコーチとか
・朝練はメインメニュー以外ずっとベンチで寝てるコーチとか
・「やり直しさせてくださいって言いに来るまでおまえらなんか知らん、勝手にしろ」と言うのでこっちも知らんと思って勝手に練習して勝手に帰ったらすげー怒ってきたコーチとか
・挨拶とタイムを読み上げてもらう以外に言葉を交わしたことがないコーチとかが歴代の記憶

・チームメイトとは、しょうもない話はいくらかしたけど、水泳の話はしたことなかった
・練習後にお風呂で「疲れたね〜」「○○ちゃんにあそこで追いつかれそうで焦ったよ〜」とか言うくらい
・練習に少し遅れて行ったらいつも使ってるロッカー付近に謎の落書きがたくさんあって、落書きの存在自体にびっくりして内容をよく読まずにコーチに報告したらそれは実は私の悪口だったらしかったこととか

・中高では水泳部所属だけど申し訳ないほどに幽霊部員
・屋外プールなので冬は筋トレ&自主練
・メニュー作成は大学生コーチ(ボランティア)が担当
・高3の夏だけ私がメニューも作ってほぼ皆勤賞した
・好き勝手やりすぎて顧問とも部員ともOBとも喧嘩しまくった 本当に申し訳ない

・いちばん見映えがいい戦歴は、中1での県新人戦100m自由形10位、1’03”
・あとは市大会で入賞とかくらい
・全国大会にはまったく縁なし
・100m自由形以外にほとんど出たことない 理由は特にない
・ベストタイムは中学生ですべてストップ



そんなかんじです。

だいたい普通ですね! どこにでもいそう〜!
あんだけ時間をかけてたのに、本当に水泳をやりに行ってたのか、甚だ疑問〜!


目標を捉えきれていない編

こんな調子でしたから、全中やインハイ、JOなどの全国大会を狙うだなんて、毛頭、考えたこともありませんでした。が、これだけ一生懸命やってるんだし、人生も長いわけだし、関東大会くらいはワンチャンあるのでは? 県大会で入賞なら? 目標は高いほうがいいよな? そうやってるうちにベストも出るよな? などと都合のいいことを考えていた記憶もあります。

愚かですね。でもこんなのたぶん、ほとんどの中高生が思ってましたよ。「東大はさすがに無理」「地方国公立や早慶上理ならワンチャンあるかも?」「明青立法中くらいは行っておきたいな」「目標は高いほうがいいよね」「そうしてるうちにどこかいい大学受かるよね」ってなね。はいはい。

まあ別に、動機なんて後付けでもいいんですよ。追いかけてるうちに対象の魅力に気づいたり、より魅力的な相手がいることに気がついたりするのも、悪くないでしょう。ずっとスタートラインでもだもだしてるのよりはマシ。

じゃあ仮に、ワンチャンあるかもと思っていた関東大会に出るならという体で話を進めましょうか。


関東大会のことを知らない

・選考大会はどれか
・中学だと全国標準記録突破者を除いた上位6名が出場できること
・高校では選考大会で4〜8位に入賞かつ制限タイムを突破すること
・去年や一昨年の出場ボーダータイム
・関東大会の場所、日程
・常連校や出場者の名前

まじでびっくりするほどなんにも知らなかった。

なぜだかはもう知る由もありませんが、いつか自然に知れることだと信じてた記憶があります。恥ずかしい。頭お花畑か?


関東大会出場に向けての練習プランがない

・どの種目であと何秒縮める必要があるのか知らない
・具体的な目標ラップもない
・目指す泳ぎにも具体性がない
・練習の中長期プランとかもない
・コーチにはあったのかもしれないけど聞いたことない
・とりあえず練習がんばる

ワンチャンあると思ってたくせに、意味がわかりません。「めっちゃモテたいし彼女欲しいけどどうしたらいいのかわからなくて威勢よくイキり散らかすばかりで結果的にすべての女子に敬遠される10代男子」みたいだね。


自分の特徴を把握していない編

ここまででおわかりのとおり、当時の私は、「いつかは関東、いや、県大会入賞くらいは」と思い込みながらも、県大会入賞者≒全国・関東大会進出者であることも知らなければ、それら上位大会への出場基準や出場者を調べたこともなかったのです。

「目標高くやっていればいずれどこかに」なんて、戯言ですよね。

いや、まあ、いいんですよ。正直に言って、入賞だとか上位大会進出だとかはたしかに、それほどは思いを焦がしていませんでした。よく知らない世界の話に、なんとなく憧れてただけ。なんせ、「目標高くやっていればそのうちベストも出るかも」が本音ですからね。

でも、速くなりたいのは本当だったはず。高3でもう後がないと焦ってたときの気持ちは、今でも夢に見ます。プルは得意で、スイムでは勝てない高校生男子にもプルでなら付いていけてたのと、練習に強くて、特に50×20 2’00 Hardみたいな長丁場のやつが得意で体力には自信があったから、これを活かれば必ずタイムは出るだろうと信じていました。


自分の良さを活かせていない

・持久系が得意で好きなくせに、なぜかレースでは100m自由形しか出ない

10代最大の謎。

絶対に800m自由形とか出ておくべきだったし、海とか行っておくべきだった。

大学生になってフィンスイミング初めてからノリで1500mとかOWSとか出てみて、ようやく、うわ! 大会出るの楽しい! ってなったもんね。
それまではなんだろ、スイミングスクールでは出場種目はコーチに決定権あったし、でも自分も別に100m自由形以外にも何か試してみようと思ったことなんて1mmもなかったから、これはもう、取り憑かれてたか、ゾンビだったかとしか言いようがない。思考が止まっていました。


自分の改善点に目を向けようとしない

・得意を伸ばす練習ばかりしてた
・でもなんでプルが人より得意なのかは考えたことなかった
・どうすれば武器としてさらに磨きがかかるかとかも考えたことなかった
・プルの強さと持久力以外は完全にノータッチ
・フォームとしての自分の泳ぎの特徴とか知らない
・撮ったビデオ見るのすごい嫌がった
・改善点とか考えたことなかった
・「調子が良い」「悪い」の理由を考えたことがなかった
・長水路苦手なのに長水路で練習したことなかった
・飛び込み苦手なのに飛び込みの練習したことなかった
・レース前に思うのは「ゴーグルが外れなければいいなあ」、レース後は「ゴーグルに水が入らなければもうちょっといけたのになあ」
・一度だけコーチに「先頭で泳いでるあいつの泳ぎをよく見ろ、おまえの直したい部分が上手にできてる例だから」と言われてプールから上がらされたの覚えてるけど、自分の何を直せとコーチが言いたかったのかさっぱり理解しておらず、ただ劣等感が生まれただけだった

謎のプライド高いマンで、こんな状態のくせに「自分は考えてやってる、口を出さないでくれ」とか平気で言ってました。何を“考えて”いたのかはもう覚えていません。


目の前の練習をこなすことしか考えてない

・片手クロールで「片手を回す」以上の何かを考えたことがない
・脈を測れと言われたから測って報告したけど数値の評価方法を知らない
・毎回キックやってプルやって、メインはコーチに言われたタイムで泳げるようにがんばる、以上
・今日の練習の目的とか知らない
・自分たちは何を目指しているとか知らない

考えたこと、なかったですね…
ベストタイムが出ればいいな、としか…
ベストタイムって、具体的には何秒を出したかったのかすらもう覚えてませんね…てかベストタイムを覚えてませんね…

私は一体、何と戦っていたのか?


その他、とにかく視野が狭いし勘違いしてる編

・準備体操は言われたルーティンをパッと通すだけ
・自分でできる筋トレ=腹筋orチューブ、それ以外知らない
・トップ選手の泳ぎの特徴とか見てもわからない
・身近にいる速い選手のことは「デカいもんね」「柔らかいもんね」「強豪チームだもんね」くらいの認識
・他人のタイムはとにかく覚えられない
・専門誌とか読んでも自分にカスタマイズできない
・そのうち情報収集することすらバカバカしくなる
・情報だけ入手して、知ってるからできてる気になる
・かけた時間だけを見て「自分はがんばってる」と言う
・自分なりにはがんばったから、今はダメでも、そのうちどうにかなると思ってる
・水泳以外の運動ができなくてもなんとも思わない
・周りの人に意見を求める素直さがない
・わかってないのにわかったふりをする
・周りとコミュニケーション取って協力していこうという気がない

挙げるとキリがないです。
かわいそう。



これが、志望校合格を信じて今日も単語帳をただ眺めているだけ星人の一例です。

実に愚かで閉口するばかりで、できる人からしてみれば「そんなの、本当の本気じゃないだけ」と感じる部分も大いにあると思います。
でも人間、知らないことは実現しようがないとも思うんですよね。今まで、例えば選手なら「黙って与えられたメニューを与えられたタイムでこなせばOK」、マスターズなら「前の人に追いつかず、後ろの人に追いつかれず、余計な波風立てずに練習できればOK」の世界で洗脳されて脳死状態で生きてきたなら、なおのこと。速くなりたいのは本当だけど、メニューをこなすこと以外に何かすることなんてあるのか、いや、そんなこと考えてるようじゃまだ打ちこめてないんじゃないか、もはや何かを考える必要なんてあるのかすらまったくのノーヒントのところから、ある日突然「もしかしたら、自分が見えてる世界は狭いのかも?」「他の高校に通ってる速い選手はどうしてるのか観察してみよう! まずは名前と高校名を調査だ!」なんてひらめいたとすれば、そりゃもう天才を通り越して聖人ですよ。救済を説けるレベル。一度でっかい挫折を味わうとか、水泳から離れるかどうかの大きなきっかけでもないと、普通は無理。
でも洗脳状態の人が水泳から離れるときって、だいたいがもう死んじゃったときでしょう。もう水泳やりたくない、自分は向いてないんだ、高校で辞めよう、みたいな。だから洗脳された世界から脱出できても、洗脳されていたことに気づくきっかけがない。キツかったけどいい青春だったな、ウチらガチ思考だもんね、くらい思っちゃう。それで受験だったり就活だったり、別の分野も巻き込んで焼畑農業の人生に走ると。

死んでしまう前に「本当の本気ならここまで突き詰めて考えるんだ」という例をひとつでも知ることができれば、人生を焼き払わずに積み重ねられるわけなので、おもしろくなりそうですよね。



私は、競技から5年ほど離れた27歳のとき、仕事も辞めたしフィンスイミングをもう一度やってみようとなり、「あれから泳ぎのトレンドもずいぶん変わってるんだよ」という何気ない一言から、じゃあそういうことなら固定概念は一旦捨ててみよう、泳ぎを一から教わってみようとして初めて、ああ、今までの価値基準の中だけで生きてちゃ何も変わらないんだ、もっといろんな視点を持てるようになって自分を観察できなきゃだし、他人ももっとよく見たほうがいいんだと気づきました。
水泳自体はもう25年? くらい? やっている計算ですが、ここ3年ほどでようやく、水泳がおもしろくなってきました。最近はただの頭でっかちになってきてて全然練習量足りてないのでえらそうなことは言えないのですけど。脱・眺め聖人、みんなでがんばりましょうね。



次回は、たぶん、「知れただけで満足すんなよ!! やれ!!」という話を書きます。笑

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