このブログでは普段、趣味の水泳に関することを書いていますが、せっかくなので出産レポも残しておくことにしました!
お産は本当に人それぞれなんだなと実感しましたので、このレポも誰かの参考のひとつになれば幸いです。
14:00 分娩室へ
5/6、朝5:30頃に破水してから約8時間半、陣痛促進剤を点滴し始めて約4時間が経過、子宮口の開き具合は5cm、痛みのレベルは10段階で余裕の10。
子宮口の開き具合が順調であるとのことで、ストレッチャーに乗せられ、分娩室へ移動。
ドラマとかでは、ストレッチャーに乗るのって、スタッフ数人がかりで「いっせーの、せっ!」で患者さんを持ち上げて移すイメージがあったのですが、現実ではストレッチャーはベッドに横付けされたのみで普通に「こっちへ移れますか?」と訊かれ、陣痛の波の合間に自力で移りました。ちょっと切なかった。
陣痛室のベッドにこれまた自力で上り、いろんな計測器具やらを繋がれているうちに担当の先生が到着、改めて内診。
「えっ、もう10cm開いてる!」
まさかの、もう10cm全開。この数分で。
痛くても動いたほうがお産が進むというのは本当でした。
最高にバタバタし始める周囲。
痛みでジタバタする高瀬。
必要なケーブルをつなぐのに慌てすぎたのか、私の首回りで謎に混線してしまい、しゃらくせえと感じたらしく「ごめんなさい、ちょっと全部脱いでもらいますね!」と高瀬を全裸にし始める助産師さん。
12:00あたりから出てきた「骨盤が内側から砕かれそうに痛い」に「何かが骨盤を割り出てきそう」という感覚が加わり、叫び声のバリエーションに「出るーーー」が加わる高瀬。いきみ逃しに効くと噂の肛門グリグリなど、焼け石に水。
お産が想定以上に進んでいたため麻酔の準備が間に合っておらず、体感で15分ほど待ってようやく届いた麻酔薬の入ったビニールのパックを、慌てていたためか表裏を逆向きにセットしてしまったらしく、患者名を読み込むためのバーコードが機材の裏に隠れてしまい、「なんでこんな向きに入れちゃったのよぉ!」と嘆いている様子を目撃して思わず笑ってしまった高瀬に気づき、「ちょっとぉ、笑われちゃったんだけどぉ〜」と悲しみながらバックヤードへ走り去っていく助産師さん。
ネットでは「陣痛そのものの痛みに耐えるのも大変だけど、まだ出してはダメなのにいきむのを我慢するのが大変だった」的な表現をよく見かけましたが、それは下腹部に力を入れなければいいだけなので、私はそこまで大変だとは感じず。ただ、とにかく「出そう=骨盤が砕かれそう」だったので、ついに叫び声のバリエーションに「もうイヤーーーー」が入ってくる高瀬。「ここまで来たんだからがんばりましょう」と返される高瀬。そりゃそう。
持参した水分補給用500mlペットボトルは1本だけであることを伝えると「そんなんじゃ全然足りないです! お財布どこにありますか? ちょっと小銭もらいますね! 800円もらいました! 買えるだけ買ってきます! 5本くらい買えるかしら! カツアゲみたいでごめんなさいね!」と病院1階のコンビニへ走り、「6本買えたわ!」と嬉々として報告してくれ、陣痛の波が去るたびに「はい、力水!」「ここにいる間に3本は飲んで!」と飲ませまくってくれた助産師さん。などなど。
ペットボトルストローはマストバイです!!
(退院後にお役御免して捨てちゃったので、アカチャンホンポの通販サイトから購入したものと同じ商品を載せておきます)
そんなかんじで、ギャアギャア騒ぐ私の周りで、数えてはいませんがおそらく6人前後くらいのスタッフの方が、ワアワアしながら準備を進めてくださっていました。みなさん仲が良さそうで楽しげだったのが救いでした。大怪我や大病の手術なら殺伐とするんだろうけど、とにかく賑やかだったなあ。
たぶん15時前 無痛分娩の麻酔開始
無痛分娩の麻酔は、身体を丸めて、背中に針を打ちます。これがまた痛かったという体験談もよく目にしましたが、いや、私は陣痛のほうが100億倍痛かったので、別になんてことはなかったです。むしろ、100億倍痛い陣痛の波が来て暴れたいのに「針を入れてる最中なので動かないでね」と言われたときには、さすがに死を悟りました。陣痛3回分ほどを、死んだふりでやりすごしました。
「麻酔の点滴を入れ始めました。しばらくすれば効き始めますからね」と声をかけられ、訊かなきゃいいのに「何分くらいで効くものなんですか」と訊いてしまって「15分くらいですね」との返答を受け、追加で15分間の死んだふり。
陣痛には波があるとは言いますが、ここまで来ると、波が高すぎるせいで、波が去ったあとの痛くないはずのタイミングでも息を整えるのが間に合わず、何度も「ここは普通の呼吸をしましょう」と促されました。が、そんなのは無理。「落ち着こう」ではなく「一旦気絶しとこう」みたいな感覚でした。とにかく12時を過ぎてからこっちはずっと、叫ぶか気絶するかのみ。
約束の15分が経過したあたりで、たしかに痛みが和らいできました。先生から「今、お腹や脚に氷を当ててるんですけど、冷たいですか?」と確認され、「何かが当たってるのはわかるけど温度まではわからない」という状態になってからは、無痛のありがたみが炸裂! 産道に胎児の頭が挟まっている感覚、定期的に陣痛の波が来ている感覚は残っているものの、軽い生理痛くらいの違和感があるのみで「痛み」と呼ぶほどではなくなり、スタッフの皆さんとも笑って話せる程度に。
たしかこのあたりのタイミングで会陰切開されてる。麻酔が効いてるので全然痛くない。
「麻酔も効いています、赤ちゃんももう頭が見えそうです。次に陣痛が来たら、スタッフのかけ声に合わせていきんでください。分娩台のこのレバーを握って、重たいバケツを持ち上げるイメージで、力を入れましょう。目は開けたまま、目線はおへそを覗き込んで、下腹部に集中しますよ」
今まででいちばん具体的な指示が飛んできました。
うおお、いよいよかあ。
たぶん15時過ぎ頃 いきみ4セット
力を入れるべき場所、入れ方の指示さえもらえれば、麻酔が効いていたとしてもこうすれば力が入るだろうなと感覚でわかったのは、普段からスポーツをやっていてよかったと思った瞬間でした。
いきみ1セット目、頭がチラ見えしたらしく歓声が上がる。
いきみ2セット目、頭が出そうで出ない。「頭が大きいのかな?」「みんなで待機してるときに限って出てこなかったりするよね」「シャイなのかしら」などの声が飛び交う。
麻酔が効いているせいか、陣痛の波に強弱が出てくるようになり、弱い波は見送る。「しっかり髪の毛の生えた頭が見えてますよ! 触ってみますか?」と訊かれ、手を伸ばすも、その体勢だと力を入れづらく、結局確認できないまま断念。
いきみ3セット目、頭が出現!
「次、力を入れるのは一瞬だけにしますよ。すぐに力を抜かないと、赤ちゃんが本当に部屋の隅まで吹っ飛んでしまうので。一応、3人がかりで受け止めるようには準備してます」
えー、よくわかんないけどそんなこともあるのか。了解。一瞬だけね。
いきみ4セット目。大きな塊がぬるっと出た感触、「はい、もう力は入れないで! 普通の呼吸で楽にして!」の指示、からの、ひと呼吸置いて産声。
長男、爆誕!
助産師さんが写真を撮りまくってくれました。血だらけの赤子を、これまた血だらけの枕に乗せて、点滴の針を刺しまくった腕で抱えて写真に収められるという状況は、心からの笑顔になるのは正直ちょっと難しかったですが、無事に産めたのはもちろんのこと、この瞬間を、痛みに泣き苦しむことなく冷静に迎えられたのが、想像以上によかったです。無事でよかったし、無痛でよかった。無痛じゃなかったら本当に気絶してた。
血だらけで、かつ全裸の写真をここにアップするのはさすがに憚られるので、ひととおりの処置が終わってきれいになったあとの写真を1枚。
でかい。
2664gで小ぶりなんですけど、それでもこんなのがお腹に入ってて、そして自分の股から出てきたのだと思うと、でかい。ずしりときました。
さて、よく言われますが、お産はこれで終わりではないのです。
次回へ続きます!