熱心に自主練に励むおねえさまがいらしたので声をかけたところ
「ここ最近、50*20 1’00 で泳ぎ込みしてるの!
けっこういいタイムでキープできるようになってきたわ」
とのこと。
ただ、そのおねえさまは、こんなことも言ってました。
「こんなに泳ぎこんでるのに、昨日タイムを計ったら、すごく落ちてたの。
まだまだ練習が足りないのかしら…」
おおお・・・!!!
おねえさま、それは、
持久力系のトレーニングで遅筋ばかり鍛えられていて、速筋を鍛えるトレーニングをしていないからです!!!><
・・・という話をしてネタを得たので、せっかくですしこちらでもまとめておきますね☆
筋肉は2種類に分けられる・・・「遅筋」と「速筋」だ!
人間の筋肉は、「遅筋」と「速筋」の2種類に大分できます。
遅筋は持久力、速筋は瞬発力を主に担当しています。
魚に例えるとわかりやすいです!
遅筋は、マグロなどの赤身魚。延々とぐるぐる泳ぎ続けられるイメージ。
対して速筋は、ヒラメなどの白身魚。ふだんは砂に埋もれてジッとしていますが、エサを見つけるや否やパッと飛びかかる感じ。
実際、人間の筋肉も、遅筋は赤色、速筋は白色をしているそうです。
で、人間の全身の筋肉は、8割程度が遅筋で構成されています。
言われてみれば、そんなかんじもしますよね!1日中歩き回りはしても、1日中何かしらの獲物に飛びかかる必要はないですから、遅筋のほうが多くなくてはね。日常で速筋を使うのは、電車に飛び乗るときとか、赤に変わりそうな信号を急いで渡るときくらいじゃないでしょうか。
どっちの筋肉をメインで鍛えていたかでパフォーマンスも変わるよね!
水泳の話に戻すと、フォームを確認したり、本数を多く稼いだりなんかの”フツーに泳ぐ練習”なら、100%全力ダッシュでは普通やりませんよね。この場合、遅筋がモリモリ鍛えられています。
しかし、タイムトライアル時やレース本番は、全力ダッシュです!身体は自然と、速筋を使おうとします。
そのときに日頃、”フツーに泳ぐ”練習しかしていなかったとしたら?
使っていない筋肉に、力は入りません。
だから、身体を思うように速く動かせなかったり、すぐにバテたりして、タイムに繋がらないのです。
これ、仕事が忙しくてしばらくぶりにプールに入ったときも、こういう感覚ってありますよね~。”なまる”ってヤツです!
ですから、上述のおねえさまの例で言えば、
”練習不足である”ことに間違いはないのですが、正しく言うのなら
”スプリントの練習不足である”ということだと思うのですよね!
泳ぎ込みとスプリント練習はバランスが大事って話でした
もちろん、毎日ずっとスプリント練習オンリーでは、前半はよくてもターン後あたりからもうバテバテで見るも無残な泳ぎになってしまうとか、2レース目以降疲れすぎて最後のリレーではグテングテンでチームメイトに大変迷惑をかけてしまうとかということになりますし、どういうわけかそういう選手がどこのチームにも必ず1人はいるというのが水泳あるあるです。笑
泳ぎ込みとスプリント練習のバランスは、0か10かではなく、今週はフォームを確立させたいから泳ぎ込みを中心にしてスプリント練習は最後に25mを2本だけとか、来月は大会だから泳ぎ込みの量は減らしてダッシュを多くしようとか、そういう考え方が大事です!
例のおねえさまにもそんなアドバイスをしたところ、さっそく取り入れていただけたようで、翌週の練習会では以前どおりのタイムに戻ってらっしゃいました。
1週間もかけずに戻したってのは、元から素質があったのだとは思うのですが・・・!あの方ほんとすごいですよ。
そう、「1週間もかけずに瞬発力を上げる」のは、「素質がないと難しい」のですよ
筋肉は1日やそこらで発達するものではありません。
もっと言えば、筋肉を動かすための神経回路が発達していないことには、筋肉は動かせません。
この神経回路の発達の差が「運動神経が良い/悪い」という話の元になってくるんでしょうけれど、運動神経なんて、後天的な要素がだいぶ大きいと思うんですよね。今はプロ野球選手だけど幼少期はサッカーも水泳も体操もやってた、とか、よく聞く話です。武井壮さんなんか典型的!日頃からいろんな運動を通してよく身体を動かしていて、関節をどれくらい曲げて、どの筋肉にどれくらい力を入れれば、どんなパフォーマンスが出るか、的なことをよく観察している人なら、競技が変わってもわりとすぐ結果が出ちゃうもの。この能力は、鍛えることができるものです!
じゃあその神経回路って、どれくらいの期間をかけて、どんなふうにトレーニングすればいいのよ!?って話は、こちらの記事「パワーはあるのに進まない、すぐバテる・・・。ダッシュ時のフォーム改善練習の組み立て方!」で紹介しますね!
タイムを出すには、持久力練習と瞬発力練習のバランスが大事♪という話で、今回はおしまい!
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