クロールのキャッチで肘や肩が落ちてしまうときの考察あれこれ

クロールのキャッチ時、肘・肩が落ちてしまう問題についてメガロスのお姉さま方と議論してきたのでメモ！いくつか解決策を出しましたが、今回は手や指先の向きについて。

手指の向きだけで腕全体の力の入り具合が変わるから泳ぎは奥深い

結論から言うと、
「手はやや内側、指先はやや下向きに入水する」
これです。

こうじゃなくて、

こう。

こうじゃなくて、

こう！

手を少し内側に向けることで、肘が曲がり、腕全体に力が入りやすくなるはず。

また、指先がを少し下に向けて入水することで、入水した瞬間にすでにキャッチの姿勢になっているので、すぐに次のストローク動作につなげられますから回転も上がりますし、キャッチの姿勢が取れている＝肘が上向きに立っている＝肘が落ちようがない、ということにもなります。

手が外側／指が上側を向いてしまう理由を理解すれば直せるはず！

手が外側に、もしくは指が上側に向いてしまう理由、観察するに

・腕をめいっぱい伸ばそうとしているため
・スカーリング、もしくはS字泳法のつもりで外に向けている
・呼吸時（ローリングが大きすぎる、頭の重みに耐えられていない）

が多いかなと感じました。
それぞれ自分なりに分析してみます。

腕をめいっぱい伸ばした結果の外向き・上向き

腕をめいっぱい伸ばそうとすると、肘は伸びきり、指は反る。それが普通だと思うんですよね。

ただそれは、理想のキャッチの姿勢とは真逆なんですよね。

初めてクロールを習うときはたしかに「腕は大きく前に伸ばしましょう」と教わったとは思いますが、タイムを求めて理想のフォームを探り始めた皆さんは、ぜひ”初心者”は卒業して、”腕”を”肩”に置き換えてください！

こうじゃなくて！

こう！
肩が前に出てるでしょ〜！
前に出たせいで寝室のスイッチが画面にインしましたね！
（撮影の向き的に肘が伸びているように見えなくもないですがやや曲がっていますよ！）

スカーリングやS字泳法のつもり

このへんは、その人の特性とか好みとか、時代とかにもよるものなので、一概には言えないのですが…

「スカーリング」とは水中で腕を前方に伸ばした状態で横向きの8の字に手を動かす動作ですが、これはあくまで「水をおさえる感覚をつかむ練習」くらいの認識でいるのが正しいかと思います。平泳ぎなら動作レベルで活用できますけどね！

また、「S字泳法」はたしかに、腕を一旦外側に持っていくことでより多くの水をかき込んでこようというのが目的の泳法ですが、それでもやっぱりちょっと肘は曲げますからね！真横（＝ま外）に押し出したらそれは”S字”にならないですから。何字だろ？”2”の逆みたいな？

呼吸のときだけ極端に外にいっちゃうパターン

個人的に結構手強いやつです。私も高校生のときにずっと悪戦苦闘していた記憶があります。

これはもう言葉で言うなら「呼吸をコンパクトにまとめましょう」としか言えないです。顔全部が水面から出るくらい顔を上げてしまうと、どうしても胸が開いて体全体が横を向いてしまい、そのせいで体が沈みそうになり、バランスを取るために手が外側に向いてしまう、と。

頭から胸を通って手にかけてのラインができるだけ丸くなるように、体はなるべく水面に平行に、頭は口が水面からギリギリ出る程度までで上げるのを抑え、指先は意識して内側に向ける。これはがんばるしかないですねー。

泳ぐのがゆっくりめのペースだと、呼吸にかかる時間も自然とかかり、その分体が沈みやすく、手が外に向きやすくなってしまうので、これを修正したい場合は、気持ち速めのペースで泳いで直していくのがいいかと思います。

手が外を向いちゃうとうまく力が入らないからがんばろう！

関節を曲げることでそこに付いている筋肉に力が入るのが人間の構造ですから、手が外に曲がっている＝手首も肘も伸びている＝腕に力が入らない、の状態なので、軽く内側に向けることを意識し続けましょう！

指先が上を向いちゃうとうまく力が（以下略）

入水時は肘を残して指先から入り、腕はその形のまま腕ではなく肩を前に伸ばす！ほら！なんとなくマイケル・フェルプス選手とか萩野公介選手みたいな泳ぎになりますね！前腕や三角筋がめっちゃ疲れると思うのでスカーリングをたくさんやったり筋トレ取り入れたりして鍛えてがんばりましょう！

あと、覚えておくべきなのは、指先が上を向いて肘が落ちている状態から、キャッチができる状態（指先が下を向き肘が立っている状態）にまでもっていくまでの動作は、ぶっちゃけ無駄です。手を真下に押さえつけているだけで後ろに押しておらず、体を前に持っていく動作に何も関係していないからです。指先が上を向いてしまっているがために肘が落ちているパターンの方は、がんばって早めに直しちゃったほうがいいかなと思います！