疲労物質じゃないぞ!「乳酸」を味方にして後半に強くなる方法

だいぶご無沙汰してました!
GWはお仕事&旅&お仕事で大変にリア充してました!
GWって、お客さんは増えるのに店舗スタッフは少なすぎて、笑うしかないよね!

さて今回は、みんな大好き乳酸について、高瀬が勉強したことをまとめます!


乳酸生成の仕組みをさらっとまとめ

さらっとでいいよね?

全力ダッシュする!

糖がエネルギーとして代謝される!

乳酸が生成される!

以上!


乳酸とスイマーとの切っても切れない関係

他のスポーツのことはあんまり知らないけど、少なくとも水泳選手と乳酸って、ハーレム系ラブコメ漫画の男主人公と、その主人公の命を付け狙う美少女スナイパー的な関係性だよね。主人公はスナイパーを怖がってるし、スナイパーは主人公絶対殺すマンだけど、毎回必ずラッキースケベシーンがあって、なんだかんだで本当はお互い満更でもないんだよね???っていう。ないほうが安心ではあるけど、より上位を目指すならば必ず通らなければならない通過儀礼っていうかね。ないとなんだか物足りない感すらあるっていうかね。

ちょっと何言ってるかわかんないね。



たとえば、そこそこ戦歴の長いスイマーであれば、「耐乳酸メニュー」という概念には、何度も触れたことがあるのではないでしょうか。

たとえば
50*8 3’00 All Hard
みたいな練習。3本目あたりから脚がパンパンになり、5本目あたりからは肩も回らず、動かない身体にムチを打って追い込むアレね!

この練習のとき、身体の中で何が起きているのかというと、

糖がエネルギーとして代謝されまくる
→乳酸が生成されまくり、筋肉に蓄積されまくる
→筋肉の中が酸性に傾き、筋肉の収縮が妨げられる
→筋肉動かねーっ!肩回んねーっ!という感覚との壮絶な戦い

これが「乳酸が溜まっている状態」で、これに耐えろ!動かせ!もっとできる!それがおまえの本気か!?本当の本気を出せよ!!!と心の修造を突き動かす練習が、耐乳酸メニューです
心の中に松岡修造とマツコ・デラックスを住まわせておくと、ここぞというときに弱さや迷いを蹴散らしてくれるのでオススメです!


乳酸は、エネルギー源のひとつ

ここからが本題。

「乳酸が溜まってると身体動かなくてつらい。つまり乳酸つらい。乳酸はいらない子!」
と思いがちですが、実は乳酸も、糖質や脂質と同様にエネルギー源になってるんですって!!!

ただし乳酸は、酸素と結びついて、遅筋や心筋を動かすためのエネルギーなんです。



つまり、魔法少女まどか☆マギカ的に表現すると、

より速いタイムを求めて全力ダッシュを重ね、無酸素状態で速筋を動かし続ける主人公。
しかし、その過程で生まれる乳酸は、筋肉を酸化させ、動きを鈍らせる物質だった。
乳酸をエネルギーとして代謝するには、多くの酸素を取り込み遅筋を動かすしかないが、遅筋では全力ダッシュができない。

絡まる因果。交錯する夢(タイム)と現実(疲労)。
乳酸に満ちた肉体から主人公が仰ぎ見るのははたして、希望か、絶望か。



…まあ普通は絶望だよね。

日々の練習はこれを希望にするためにあるんだよ!!!

サボらずにプール行けよな!!!!!


単発の短距離練習だけじゃ頭打ちが来る

速筋だけでタイムを出すのは、どうしたって限りがあるんです。

糖は体内に多くを保有していられません。
過剰分は脂肪として蓄えられています。
しかし脂肪は有酸素運動でないと代謝しないことは有名な話。
じゃ「多くを保有できない」って具体的にはどんくらいまでならいけるのよ?って部分が重要になってきますが、



無酸素系運動の限界点は、およそ40秒。



ああ〜〜〜っ

50m泳ぎきれるかどうかくらいだよね〜!!!



しかも水泳の場合は、スタートとかターンとかいろんな動作が入ってくるし、そのスタート直後とかターンの際とかは、鼻に水が入らないように息を大きく吐き出しますよね。ということは「泳ぐ」って、「走る」「跳ぶ」「腕立て伏せする」とかの運動より、無呼吸状態でいられる秒数は短いと思うんですよ。



ああ〜〜〜っ

ターン直後に突如「ファッ!?突然バテたぜ〜っ!?」ってなるやつ〜!!!



だから、「最後のふんばり」を効かせるためには、単発の短距離ダッシュ練だけではどうしても足りなくて、

耐乳酸メニューを通して「筋肉の酸化に耐える練習」をしたり

VO2max系(Broken)で「持久力を上げる練習」をしたり

A2練やAT練を意識高めに攻めて「遅筋でのトップスピードを上げる練習」をしたりして、総合的にレベルを上げる必要があるんです。わ〜っ!練習が楽しみになってきたね〜!!!


乳酸に強くなる練習・最終奥義(未立証)

あと、これは完全に仮説なのですけど、とっておきの練習法ね。

「乳酸が溜まるスピードに比べ、除去or代謝するスピードが遅いから、乳酸が溜まって筋肉が動かなくなる」わけですが、調べたかんじだと「乳酸の代謝スピードを上げるトレーニング」はまだ立証されてないらしくて。でも、自称・持久力王の高瀬は、この答えとなるかもしれない説を身体で知っています。

「全力ダッシュのあとのeasyをしっかり泳ぎ切る」、
これです。



最近のマスターズ練習会で気づいたんです。

単発ダッシュ練習大好きなムキムキお兄さんたちって、ダッシュのあとのeasy、「しんどいから」って言って、泳がないんですよね。

また、別の店舗のコーチにたまたまお世話になったとき、「耐乳酸練習の際の休憩時は、なるべく身体は動かさないほうが疲れないから、easy入れて流したりストレッチしないほうがいい」って言われたことがありました。

すっごく疑問だったんですよね。
私は、ダッシュのあとはeasy入れて流さないと疲れが取れないって約25年間ずっと感じてきたんですけど、そうは思わない人も結構いるらしい。

これ、おそらく、私のような持久力系ぽよぽよ遅筋スイマーと、お兄さんたちのような瞬発力系ムキムキ速筋スイマーとで、代謝の構造が異なるために起こる違いなのではないでしょうか



ムキムキお兄さんたちの体内って、きっとこうなってます。

ダッシュ1本目で乳酸が生成される
→遅筋が発達していないため乳酸の代謝が非効率、easy入れても余計に疲れる
→乳酸は溜まりまくり、筋肉は酸化しまくる
→ムキムキお兄さんによくある、1本目はめっちゃ速いけど最終本目は跡形もなくタイム落としまくるの図、完成



前述の通り、乳酸とは遅筋を動かすためのエネルギーになるもの。
持久力系に強い筋肉を鍛えておけば、乳酸もスムーズにエネルギーとして代謝できるため、

ダッシュ1本目で乳酸が生成される
→そこそこのペースでeasyを泳いで乳酸を代謝、もしくはストレッチで乳酸を除去
→筋肉が酸化しにくい、疲れにくい
→ついでに出力100%でも80%でもタイムがあまり変わらない体質(それが持久力系スイマーの強み)であることを利用し、2本目以降のダッシュは無意識に遅筋を使い出す。1本目で生成した乳酸と、あらかじめ蓄えられていた脂肪で、エネルギー源はほぼ無限。ヒャッホウ!

と、こうなれるんじゃないでしょうか。



で、こうなるためには、「乳酸をエネルギー源として利用するための練習」が必要で、それが「乳酸を無理やり生成し、その乳酸を無理やりエネルギー源として使う練習」、つまり全力ダッシュのあとのeasyを立ち止まらずにきっちり泳ぎ切る練習、です!はい!まず50m1本、ベスト+1秒以内で泳いでね!そしたらすかさず1本流してね!そこ!止まらない!ほら行った行った!あ?「脈が落ち着かないから泳げない」だ?脈は泳ぎながら整えるんだよ!!!

やったね!!!!!
次の練習が楽しみになったね〜!!!!!

こういうことばっかり言ってるから「高瀬はドSだ」とか言われるんだろうなぁ。



専門用語を使って話すのがあまり好きではないのでノリと勢いだけで書いてますが、ウソやハッタリは書いていないので安心してくださいね!

もっときちんと論理立ててこのへんの理屈を知りたい方は、以下の参考URLをご覧になるか、「スポーツ生理学 乳酸」とか「エネルギー供給系」とかのキーワードでググってみてくださ〜い☆


参考にしたサイト(ありがとうございます!)

乳酸の基本
東京大学大学院総合文化研究科 身体運動科学研究室 教授の八田秀雄先生の記事です

バケツ理論-誰も知らない乳酸とスポーツのヒミツ
言葉遣いが難しくないからわかりやすい!

エネルギー供給系の順番(必ずしもATP-CP系が7秒、解糖系が33秒続き、合計40秒程度の間は、無酸素的にエネルギーが供給されるのか?)
横浜の整骨院のブログ記事。このへんのこと高校生時代にめっちゃ勉強したけど、まあ忘れたし、この記事にもさほど生きてこなかったという…でも知っておくと日々の練習が濃くなるよ!

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