[試行錯誤中]1度の練習を濃密にするために

「クロールはどのように泳げばいいのか」とか「◯◯選手のバタフライの特徴」とか「今日やった練習メニュー紹介」とかの切り出し方はよく見かけますが、「私は練習毎に何を考えているのか」という角度からの文章ってあまり見かけない気がしたので、書いてみたら何か変わるかなと思って試しに書いてみることにしました。

先にお伝えしておくと、別にこのエントリーがなくても、日頃の練習日記でよかったんじゃないかなっていうかんじです…_(:3 」∠)_


A.事前準備:課題の列挙

当然、昨日までの自分より速く上手に泳げるようになりたくて練習に来ているわけですので、そうなるために何が必要なのかを整理しておくことが必要です。これをやらずに水に入っても、「疲れた/疲れてない」「いっぱい泳いだ/少ししか泳げなかった」でしか練習結果を判断できません。疲れたいだけなら水泳でなくてもよかろうに〜!

例として目標を挙げます。

200mクロールであと5秒縮めて、2‘19“台を出した〜い♪


A-1.前半100mのラップを上げるための力強い泳ぎ

(≠回転だけでどうにかしようとしないという発想)

・飛び込み〜浮き上がりの技術向上
 -上に飛びがちなのをまっすぐに修正
 -頭だけ先に浮き上がりがちなのを修正

・ストロークの軌道改善、より力を入れやすい角度に
 -入水位置をもう少し外側、下側に
 -指先がプール底に向くように
 -肩幅でプッシュ

・末端に力を込めるのではなく腹筋を入れるかんじ
 -特にプルに意識が行きすぎるとなりがちなので注意
 -首にも力が入りがちなので注意

・リカバリーは跳ね上げずコンパクトに、ややキャッチアップ気味に


A-2.抵抗と無駄な動きを減らして後半のパワー消費を抑える

・頭の位置を低くしようとすると胸が丸まりがちなので、胸を張る

・呼吸動作
 -苦しくなると呼吸前に前方を向くクセ(苦しいと腹筋抜けてそうなるよね)
 -呼吸の向きがやや前方を向くクセ(たぶん時計を見るクセが定着したやつ)
 -呼吸後に頭をツッコミがちなクセ(ダサい)

・入水後に掌が前を向きがちなのを抑える

・浮き上がり直後の呼吸を減らす

・ターン動作の効率化
 -ターン直前に壁を見ない
 -脚を揃えて回る
 -まっすぐ回る
 -急いで蹴ってもいいことない、ていねいに一瞬ためる


A-3.ペース配分、生理学的なところ

[前提条件:50m0’35ペースだと200m2’20]

・50*4 0’40、100*2 1’15 などのショートサークルに挑戦すべし

・50m35秒を楽に泳ぎ続けるための研究

・200m以上の練習全然やってないくせに200m以上の種目でタイム出したいとかちゃんちゃらおかしいのでもう少しくらい泳ぎ込んでもバチは当たらないと思うよ! (しんどいので優先順位は低め…☆)


A-4.その他身体のこと

・最近足首痛いのでうまくつきあう
・背中、股関節、ハムのケア
・ウエイトトレーニングとやらを細々と続ける
・体幹トレーニングを細々と続ける


A-5.メンタル面

・特に心配事なし


A-6.大会当日の過ごし方

・冬の大会会場まじで冷えるから冷え対策グッズを試す
・アップ内容は要検討



人によって項目の多い少ないだとか優先順位だとかは変わってくるものですし、「疲れにくくなりたいからストレッチを習慣化して柔軟性を高める」とか「パワーを付けたいからウエイトトレーニングして◯kg挙げる」とか「心肺機能を高めたいからランニングを取り入れる」とか「体力付けたいから1回の練習で◯m以上泳ぐ」とかが入ってくる人もいるでしょう。このへんは個人の趣味趣向、宗派です。

私個人としては、柔軟性・持久力・心肺機能・キックの技術あたりの項目は他と比べるとそこそこ自信があるので、瞬発力は優先順位が低いため、パワーは成果として期待できるようになるまでに時間がかかりそうなので、それぞれ端折りました。フォーム改善の項目が多めに挙がっているのは宗派です。


B.与えられたメニューを自分なりに解釈する

さて、脳内の準備が済んだら、練習に繰り出します。
いちばん多いだろうケースを想定して、今回はどこかのチームの練習に混ざった体で話を進めます。

メンバーが複数いれば、目的や課題も人それぞれあるわけなので、同じメニューでもこなし方は自分で考える必要があるなーと思ってます。


B-1.キレイなフォームを定着させる練習に使う

本数がそれなりにあってサークルに余裕があるメニューなら、A-2あたりの課題の解消を目的として練習。脈が上がりすぎて苦しくなったせいで泳ぎが乱れては意味がないので、気持ちのいい、続けられるスピードで。

いきなりプルもキックもターンも呼吸も一気に着手するのは無茶なので、できそうなやつから挑戦するのがセオリーです。それでも真剣にやったら結構疲れるはず。全身の末端や水の流れにまで気を配る、気疲れ的な疲労感。神経を使う作業ですし、集中力の持続力(?)を養っているとも言えます。一応、筋持久力系になるのかなあ? あとで使うのでタイムはしっかり覚えておきます。


B-2.ややハイペースを維持し続ける練習

B-1レベルはクリアできたなと感じたら、次はこっちの意識で。同じ本数・サークルでOKなので、B-1よりタイムを1秒でも2秒でも速く設定し、A-2の定着度合いを高めるとともに、A-1にも着手していきます。「着手していきます」とかしれっと書きましたけど、項目めっちゃ多いし、全身の動きを気にしながら出力も上げるのは集中力かなり必要だからね!

ここで大事なのは、「やってみたら1秒上がってた」ではなく、「1秒上げるためにはフォームのここを変えてこの出力を上げるとできそうかな」「3秒上げたいならここがポイントになりそう」と仮説を立ててからやること。これがハマるととても楽しい。同じメニューを毎日やってても飽きない。


B-3.さらにハイペースでフォームの乱れを確認する練習

これもB-1やB-2とまったく同じメニューで構わないので、「確かにそんなタイムで◯本揃えられたら嬉しいけれども、確実にバテるわ」というレベルの出力に挑戦。うまくいけば2本目あたりから確実にA-1、A-2で挙げた課題のどれかしらが崩れるでしょうから、残りの本数はそれとの格闘。タイムは落ちてもいいので、疲れてくるとどこが乱れてきて、それは気持ちをどう落ち着かせて身体をどう動かせば立て直せるのかを検証しておくことで、レース本番の後半もあんまりこわくなくなります。文字にするとなんかマッドサイエンティスト感ありますね。


B-4.タイム落としてんじゃねーぞ! 根性と持久力を磨く練習

B-3で疲れてきてからのタイム下落を許さないパターン。フォームが乱れてもしゃーなしで、ピッチと根性で泳ぎ切る。内蔵の持久力向上が期待できます。あとは「なるほど、悪い泳ぎを無理やり続けると、ここが疲れるのか」っていう、悪い標本も採取できます。良い例ばかりでなく悪い例も把握しておくのは、レースで冷静になれる重要な要素。いよいよマッドサイエンティスト感。


B-5.MAXレベルのタイムで泳ぐけど脈は上げない練習

文字で書くとまじで意味わかんないですけど、全力ダッシュと変わらないタイムを、できるだけ脈を上げずに泳ぐにはどうすればいいかを検証する練習。A-3をやりたいけどここのチームの練習だとあんまりショートサークルってやらないのよね…というときに、50*6 Hard みたいなダッシュ系のメニューを勝手に解釈を変えて実行します。うまく表現できないですけど、うまいこと意識すれば、脈は、落とせます! キックのテンポは落とさずに勢いだけ落とすというか…呼吸を我慢しすぎないというか…いや回数は増やしたらタイム落ちちゃうから増やさないんだけど…??(自分で言っててよくわからないのでやめます)


B-6.そもそもやりたい種目を封じられたとき

俺はプルを修正したいんじゃ! とか、クロールやりたかったのに今日は背泳ぎの日かよ! とかも、ままあることです。

普段使わない筋肉に刺激が入るから全身のバランスも取れるし、慣れてくると雑にこなしてしまいがちなストリームラインや手足の位置なんかも見直すきっかけになるし、ひとつの種目での気づきが他の種目にはまったく影響しないなんてことはほとんどありません。得意種目より脈も簡単に上がりやすいので、心肺機能を鍛えるのにももってこいです。ので、基本は素直にやります。

でも苦手種目の練習が続くと単純にモチベーション下がるのでそのときは秘技「すいませんちょっと膝痛くて平泳ぎできないんでバタ足でやらせてもらいまぁす!」作戦です☆


C.振り返り

そんなにキッツいメニューでなくても、いつもと代わり映えのしないメニューでも、練習の仕方次第で気づきはたくさん得られて脳みそめっちゃ疲れます。帰り道では、脳みその最後の力を振り絞って振り返り大会を開催、次回練習の課題を立てます。可能ならばそれを後ほど練習日記にメモです。練習日記を書くという行為は、自分の考えを自分に説明するということですので、なんとなくぼんやり考えるだけよりかは、考えが幾分深まります。


D.また練習に繰り出す

あとはもう繰り返しです。フォームが良くなった感触があるなら次は出力を上げても崩れないようにやってみよう、よし予想通りタイムが上がったぞ、次は距離を伸ばして200mでやってみれたらいいかな、200mでやってみたら後半にここが崩れてたのでもう一度距離を縮めて修正かけよう、が延々と続きます。

意識しなくても定着してきたなと感じられたり、繰り返すためのネタに困ったら、技術的に信頼できて宗派も近しい水泳仲間を捕まえて意見を仰ぐなり、タイムが近い水泳仲間の泳ぎを勝手に観察してみたり、水中映像を撮ってもらえる練習に参加してyoutubeで速い選手の映像と比較してみたりして、新しいネタや忘れていたネタを収集します。


E.自主練とかにも繰り出す

「とりあえず泳ぎに行くか…」の気持ちでプールやジムに行っていい練習ができたためしがないので、挑戦してみたいメニューがはっきり定まったら行きます。長い距離だとか、ショートサークル、逆にサークルめっちゃ長めの練習とかは、なかなかスポーツクラブではできないので、そういうやつのチャレンジタイムになるのがだいたいです。といっても他にも泳者がいるのが常なので、数本だけ集中して!


まとめ:もっと何かできることあるかなと思って

や〜、最近、メニュー内容なんて別に毎日ほぼ同じでもいいし、サークルをいたずらに短くしたり、総距離をひたすらに稼ぐこともさして重要ではなくて、何を考えて泳いでるのかでスキル習得の深さって変わってくるんじゃないのかなって思って、いろんな人の練習の感想を収集してみてるんですけど、表面的なタイムだとかフォームだとかと違って比較するのは難しいから、ひとまず今の自分が考えてることをまとめておいたら何かわかるかなと思ってとにかく書いてみました。結果としましては、あまりよくわからなかったです…サンプリング不足だな…もう少し検証を続けます…_(:3 」∠)_

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