オープンウォーター競技への挑戦心得(水泳経験者向け)

水泳仲間に湘南OWSへの出場を誘ったら、

「一度出たことあって、今回も興味はあるんだけど…。2.5km泳ぐの自体はそこまで難しくないはずなのに、前回参加したときには最初の500mくらいでかなり疲れちゃって、それがこわくて再挑戦に踏み出せないんだよね」

という返答が出て、なるほどそれはたしかにな〜と思ったので、そのとき話したことを書きます! 私はOWS指導で食べているプロというわけではなく、ただの一般愛好家ですが、何かしらの参考になれば!

 

【この記事の想定者】
・オープンウォーター初参加〜1,2度経験者
・水泳経験は十分にあり
・2〜3km(もしくは1時間弱)泳ぎ続けること自体は問題ない
・海ってなんだかしんどそう。足つかないし怖い!
・プール競技と違って何に注意したらいいのかがわからない!

 

2〜3kmを続けて泳ぎ切ることからしてあやしい人は、これから書くようなテクニックは今はまったく気にしなくていいので、とにかく練習してください!! 死ぬぞ!!
私より速い選手や経験豊富な選手は、これから書くようなことなんてちまちま考えずに最初からガツガツ行ってると思いますので、そういう人はこんなの鼻で笑ってくれれば大丈夫です! その泳力、オラにも分けてくれよな!!

  

よく聞くOWS初心者あるある

OWS初参加の人が、泳ぎ終わって「実力を十分に出せなかったなあ…」という顔をしているときは、大抵、以下のような感想を述べています。

・プールと違って、全然進んでない気がする
・いくら泳いでも身体があたたまっている気がしない
・周りからはキックの水飛沫や腕が飛んできて気が気でない
・夢中になってるうちに、進む方向がわからなくなって焦る
・気がついたらめちゃくちゃ疲れてる まだ序盤なのに
・(上記が原因で過呼吸など起こし、リタイアする人もいたり)

 

せっかく余裕で完泳できる泳力があるのにこういうところで消耗してしまうと、嫌になっちゃいますよね。これらは正直、正面から解消するのは難しい!
だって、どうしたって水はあたたかくならないし、前にも後ろにも人はいるものだし、波があれば流されるものだし。なんせ海だから!

そういうときは、考え方を少し変えてみるといいかもしれないです。

 

スピードは五感に頼らず脈やピッチで把握

プールだとおそらく多くの人が、プール底のタイルや壁を見たり、肌で水流を感じたりすることで、スピードを憶測しているんじゃないかなと思います。視覚と触覚。
たとえば、水深3mや5mの大会会場で泳ぐと全然進んでる気がしないとか、逆に水深1.3mくらいの浅いプールに戻ってくるとめちゃくちゃ爽快に進んでるかんじがするとか、そういうのは感じたことがあるのではないでしょうか? そう! あれです!(雑)
触覚も意外にデカいです。プールで全力ダッシュしたときにはいつも感じている「肌で水を切る感覚」が、海では得にくいです。むしろ、前から後ろから波に煽られようものなら、後退してる感すらありますもんね。

だから、視覚も触覚も、ヘタに頼らないほうがいいです!

「いつもの練習通りの出力で泳げているか」、これだけを自分に問い続けるのがいいと思います。「出力」だとあいまいでよくわからないという人は、脈とか、腕を回すスピード、キックの回数や深さで判断できるといいのではないでしょうか。

 

個人的に、キックに気を配るのはけっこう大事かなと思います!
なんせ人間は下半身のほうが筋肉が多いわけで、初っ端から気負ってて全身に力が入りすぎてしまうと、スピードにそこまで大きく寄与しないキックが先に死に、脈だけクッソ上がって全身が死に、死んだ脚と疲労を引きずって残りのウン百メートルを泳がなければならなくなります。THE・地獄。

特に、スタート直後の人混みではつい興奮してしまって、スタートダッシュを全力でかましがちです。スタート直後こそ、「いつも通り」に泳ぎましょう。いつもは4ビートなのに気がつくと6ビートでかんばりすぎちゃってたとか、いつもはプルに添えるだけなのにラストスパートしてるみたいに蹴り込んでた、とか、ペースを掴めるまではそのへんを気にするといいかも。理想のペース配分がわからないうちは、キックは意識して抜いておくくらいでちょうどいいかと。

 

周りの選手もよく観察しておく

知っている選手がいることが前提になってしまいますが、周りを泳ぐ選手から自分のスピードを割り出す作戦もアリです。

私は大抵、スタート前に選手をざっと見て、あのあたりは確実にトップ層だから付いていく必要はないな、あの子にはプールだと負けるけど海の経験は浅いから前半は私より速いだろうけど後半はワンチャンあるかもな緑色の水着ねOK、あいつには負けられないんだな紫ゴーグルは前に行かせぬ!!! などのアタリを付けておきます。レースが始まってからもめっちゃ見ます。確実に負けてはいけない相手よりかは速く、でもトップ層がもっと速いからといって焦ることはなく、ワンチャンある勢に虎視眈々とついていく。これだけでも随分と冷静になれるはず。

 

身体は意外とあたたまってなくもない

体質とか海の条件とかにもよるから断言はできないけど、水温だけで言ったら大会利用時の辰巳とか千葉国際とかだって25℃くらいでけっこう冷たいわけだし、5月や11月とかの季節はずれのOWSでもなければ、水温自体はそんなに変わらないと思うんですよね。

泳いでるのになかなか身体があたたまらないと感じてるのは、波や風で体感温度が下がってるからだと思います。脈はけっこう上がっているのでは? 脈がちゃんと上がってるなら、寒いと感じてるだけで、実際はそんなに冷えてないですよ。30分とか60分とかを泳ぎ続けるだけなら大丈夫。いつも通りいきましょう。
(エネルギー切れになってしまうと、動いても動いてもあたたまらないということがあります。が、それは何時間も泳いできたレースの終盤とかの話ですので、今回は無視します)

あとは、波打ち際って寒いんですよね! ある程度沖に出てしまえば突然、あったかいゾーンに突入できます! そこまでがんばろ! ね!

 

それでも、寒いのはやっぱりつらいので、対策はしておいて損はないと思います。ドーバー海峡とかを横断するような人は、低体温症を避けるために、脂肪を蓄え、数ヶ月はお湯に浸からないって言いますね。そこまではやらなくていいけど…

・できるだけ肌を覆う(ロングの水着やウエットスーツなど)
・可能ならタオルやビニールなどで直前まで身体を覆っておく
・いっそ、アップでは泳がない(強制的にアップで泳がせる大会もあるのでそのときは観念してください)

ロング水着は買えるなら買っとけ! まじで!

  

脚や腕が当たりそうでこわい? 逆に考えるんだ、ドラフティングに活用させていただこうと考えるんだ

ドラフティングは思ってる以上にかなり有効だよ!!
プールでも、10秒置きに出ると前の人の影響はほとんど受けないけど、5秒とか3秒とかで出ると、けっこう楽チンできたりするでしょ? そう! あれです!
(2回目)

くっついていくのは気持ちも楽だし、気持ちが楽になれば冷静さも取り戻せるから、あとは自分のペースを思い出してしっかり泳ぎ切るだけ。くっつかれるほうはたまったもんじゃないけど、そこは持ちつ持たれつだ! 誰かにドラフティングされたときは知らんぷりしてくっつかせてやろうぜ! 私は性格がよろしくないので、後ろにつかれたときはスピード変えますけどね!!!

 

泳ぐ方向はレース前に叩き込んでおくべし

レースを落ち着いてクリアしたいならとにかく、不安要素を事前に取り除いでおくことです。

コースは、公式サイトなどで確認できるならチェックしておいたほうがいいし、メジャーな大会ならブログやSNSで過去ログを書き溜めてる人も多いので、それもチェック。

当日会場に着いたら、自分の目でも確認。地形がどうとか、潮の満ち引きとかまでいくと話がちょっと難しいですが、風の向きやスタッフの配置くらいなら押さえておいて損はないはず。ブイが予定の位置よりやや左に流されてるなあとか、1番目のブイはあの桟橋をちょうど越えたあたりかとか、奥の救護船がめっちゃ目立つけどあればブイじゃないから無視しようとか、ライフセーバーもけっこう流されてるから目印にしちゃダメだなとか。とにかく、ブイにたどりつくための情報を見つけておく。ついでに言うと、いちばん見つけにくいのはたいていゴールブイですので、ゴールの先にあるものを確認しておくのはかなり重要です。

レースが始まって、トップ集団が見えなくなると、同じくらいのレベルの人が周りに残りますが、そうなるとかなりの確率で、「とにかくがむしゃらに泳ぐのみで前を見てない人」「誰かについていく気満々で前を見てない人」「自信たっぷりに見当違いな方向へ泳いでいく人」が出てきます。そういう人たちを、事前に自分が見聞きした情報で、全部シャットアウト!! もっとも頼るべきは自分!! もしくは、自分ごときとわちゃわちゃしてる集団ではなく、もっと前にいる実力派集団を目標物にするのです。そんなかんじで行けるといいんじゃないでしょうか。

 

とにかく頻繁に前を見ろ(ただし平泳ぎはやめてくれ)

焦るのはさあ、さっきまで見えるところにあったはずのブイが、見えてるからって安心してスイスイ泳いでたら、気づくと見つけられなくなっちゃったときだよね〜。

・自分がいつのまにか流されてた
・ブイがちょうど波に隠れて見えてないだけ

可能性はどちらかです。



見逃すわけはないくらいにブイの近くへ寄れるまでは、ヘッドアップをして前を確認する回数を増やしてよいと思います。波が強いときは、クロールだと6ストロークもすれば、自分が思っている方向から少しずつズレていきます。何度か確認して、なるほど、このあたりは左から波が来ているようだから、あのブイより左に行くつもりで泳がないと右に流されてしまうな、みたいなのが感覚でつかめるとよしです。そしたらしばらくは横呼吸でも大丈夫。

もちろん、海は場所によって流れが変わりますから、定期的に確認は必要ですが、まあ沖に出ちゃえばね! そんなに波もなくなるからそこまでブイを見失うことはないでしょう! ただし大会によっては「すげー目立ってるからあれこそがブイだと思ったら、ライフセーバー・救護船・全然関係ないヨットだった」ってのは白目むくレベルであるあるなので、見えてるものが100%ブイだと確信が持てるまで気を抜くなよ!!!

 

あとは、お願いだからヘッドアップの練習をしてきてくれな!
前を泳ぐ人が突然平泳ぎを始めて、しかも前方確認のための平泳ぎだからスピードが突然落ち(ていうか一時停止する)、不意にガッと蹴っ飛ばされる事故が地味にあります。痛い。ゴーグルずれる。下手するとコンタクトレンズ落ちる。スタート直後も多いけど、ブイを越えて、次のブイへの方向転換時に、ってのもあるあるでしょうか。混雑は避けるに限るけど、そうもいかないときもあるからなあ〜。狙ってやったバトルではないでしょうから、蹴られる側も蹴っちゃった側もあまり気分よくないと思いますので、平泳ぎからはなるべく逃げましょう。

で、いちばん手前のブイが確実に目視で捕らえられたら、次のブイを早めに探しておくんだよ! そしたらブイ周辺でごちゃごちゃしなくてよくて安心だよ!

 

大丈夫! こわくないよ! さあエントリーだ

2〜3kmを泳ぎ続けられるだけの泳力のある人なら、このへんを押さえておけば、舞台をプールから海へ移しても、完泳するのはそんなに難しくないと思います。プールで練習してるときって視覚はあんまり使ってないだろうから、周りをよく見る練習と、事前&当日の情報収集をよくやっておけば、それだけでも充分に本領を発揮できるんじゃないかなあ。

プール競技だとどうしても、タイムだけ見てベストだっただのベストじゃなかっただのと一喜一憂してしまって、それはそれで楽しいんだけど、ちょっぴり窮屈になるときもあるかと思います。それで、もう何年もベスト出てないから私向いてないのかなとか考えちゃって、落ち込んだりとか。OWSは、会場やその日のコンディションによって水の流れが変わるから、タイムってそこまで細かく気にする必要がないし、やっぱり、完泳できたときの達成感、爽快感がいちばんの魅力です! プール競技ばかりだとつい忘れがちな、「泳ぐのって楽しい!」という気持ちを存分に味わえます。プール競技やプールでの練習をある程度積んでいる人にこそ、OWSは年に1回とかでもいいから楽しんでもらいたい競技です!

「たしかに! なんだか勇気が出ました!」そうかそうか! じゃあみんなも手始めに三浦スイカOWSもしくは湘南OWSあたりから出てみような!! 私の参戦記も貼っておいたから楽しそうだなと思ったらあとは公式サイトへ行って申し込みボタンを押すだけだ!! はいヨロシク〜がんばろうねえ〜(*´◒`*)

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