Q.本や映画より手軽で面白いもの、ない? A.ポケモンをどうぞ

      2017/09/14

ゲームってのはね、ただ戦ったり、アイテムを集めたり、魔王を倒して世界を救ったりするだけではないのですよ。小説や映画のように、プレイヤーの心に働きかけ、価値観を揺さぶり、今後の生き方を模索するきっかけにだって、十分になり得る。あと、よく「漫画は絵が付いているから子供の想像力が育まれない」とかいう論調がありますけど、それも見せ方の問題で、絵が付いたものだって十分に「含みを持たせる」「行間を読ませる」ことはできる。ゲームももちろんそう。あのキャラからの質問に「はい」を選ばなかった世界線に想いを馳せるのも楽しいし。答えがひとつじゃないのがゲームの醍醐味。まさに人生そのものではないですか。ゲームはいいぞ。

ということで、近年発売されたポケモンシリーズの見どころについて、至極簡潔にまとめました。帰省ラッシュのこの時期、移動中の自己啓発や、甥っ子姪っ子への教育にも役立ちますので、この夏お時間のある方はぜひプレイしてみてください。いいですか、ポケモンは学問です。捕まえてレベル上げて戦わせるだけがポケモンだと思ってるなら人生の半分は損してるぞ!!!!!


第5世代以降の総評と見どころをご紹介

初代「赤・緑・青」までさかのぼってしまうとキリがないので、今回は個人的チョイスで、第5世代以降についてご紹介します。なお、ネタバレしか書いていないので、ネタバレを避けたい方は、見出しと太字だけ読んであとはてきとうに読み飛ばしてください。


ブラック・ホワイト、ブラック2・ホワイト2(BW、BW2)

オススメ度:★★★★★


見どころ1:いきなりポケモンの前提条件を覆す問いかけ

「大人も楽しめるポケモンを」と打ち出されただけあって、街もおしゃれだし、曲もおしゃれ、ジムのギミックも素敵。何より、ポケットモンスターというゲームの本質であるはずの「ポケモンを捕まえて戦わせること」を、わりと序盤で「それはポケモンにとって本当に幸せなの?」と真っ向から否定してみせるおったまげストーリーが、今までゲームなんてとバカにして片手間にしかやらずにつまらない大人になってしまった私たちの心の視野を広げてくれます。

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見どころ2:2ちゃんねるも真っ青の泥沼親子

「人間はポケモンを傷つけるだけ」と信じて疑わなかった謎の青年Nくんの、生い立ちの闇、主人公との関わりによって信じる心を取り戻すまでの葛藤、トンネルを抜けたと思った矢先に立ちふさがる「親」という絶望。おいおいおまえのパパやべーぞ。倒したと思ったら第2形態になって再び現れる魔王とかより、人間に虐待されたポケモンばかり利用してじわじわと息子を洗脳し傀儡の王に仕立て上げるとかいう狂気の企みを死闘の末ようやく観念させたはずだったのに、それから2年経っても半身麻痺を引きずり取り巻きの抑制も振り切ってでも破滅の道を突き進むパパのほうが、ダントツにこわい。パパははたして人の心を取り戻せるのか? 人間の闇。とりあえず洗脳から解放されたNくんとの別れのシーンは泣けます。

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ライバル・友人枠

物語序盤、チェレンとベルと3人一緒に「せーの!」で冒険を踏み出す演出に泣けます。
BW2では2人ともちょっと大人になっていて、ジムリーダーをやっていたり、新米トレーナーに最初のポケモンを渡す役目を受け持っていたり、立派に成長していて泣けます。チェレンがノーマルタイプの使い手じゃなかったらあやうく惚れていました。

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女の子

BWシリーズの女の子は全員かわいい。
中でもミニスカートがガチでかわいい。


その他

ジムリーダーとのバトル中、最初の一撃と、相手の体力ゲージが赤になったときに出てくる、ジムリーダーのセリフの演出がニクい。わ〜! ポケモンとの信頼ってこういうことだわ〜!!! ジムリーダーが率先してポケモンとのあり方を示してくれている…これこそが本当のリーダー…(感涙)

あと、主人公の戦闘カットインが勇ましい。
あれは人殺しの目だ。


X・Y

オススメ度:★★★☆☆


見どころ1:「愛」が「憎しみ」に変わる悲劇

BWシリーズと比較するとどうしても対象年齢が幼い印象が残る本作ですが、純真無垢な少年少女に「愛」や「戦争」というキーワードについて考えさせるとっかかりとしては最高の手引書。個人的には、そこからグレンラガンやシャーマンキングに進むと理解がさらに深まると思います。ロージェノム然り、ハオ然り、愛する人がいるからこそ、邪魔者は排除したくなるし、永遠の命を欲したくなってしまうし。人間の弱さを力で無理矢理押えこもうとすると必ずどこかに歪が生まれてしまうことを、ポケモンを通じて早めに知っておけば、幼い恋愛で愛する人を傷つけたり、乱暴な理屈で部下を振り回したりすることもなくせると思います。

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見どころ2:メガシンカで育む「信じる心」

最初は「あ〜〜〜どうせ初代ポケモンは最近のちびっ子にウケないからメガシンカさせて強くてカッコイイかんじにしちゃおうっていうアレでしょ〜ほんとやめてほしいんだよねそういう初代改悪〜〜〜」と斜に構えていたのですが、ストーリーを追う中でわかってくるのは、メガシンカの本質が「ポケモンとプレイヤーとの絆」であること。

よくサトシがアニメで「全部のポケモンと仲良くなるんだ!」「ピカチュウは俺の友達さ!」と言っていて、それに対して甘いだのなんだのとケチをつけるライバルが現れるも、結局はサトシが勝利、心を改めるライバル…というテンプレがありますが、結局、ポケモンと人はどういう関係がふさわしいの? という問いに、メガシンカがひとつの答えをくれました。ポケモンは人といることでさらなるパワーを手に入れることができる。だからポケモンは人と一緒がいい。これはすごいことだよ…友情とか信頼とか、前作でNくんがさんざん悩んでいたことは、間違ってなかったんだ! よかったね!

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ライバル・友人枠

「相棒のポケモンとダンスチームを作りたい」と言い出すティエルノは新鮮で良かったです。夢がないから見つけるために旅に出ることを決意したサナちゃんも、迷える現代っ子へのメッセージ性があって良いです。ロリ属性の人にはオススメです。


星3つの理由

・ジムリーダーや四天王がけっこう空気
・悪の組織のリーダーの信念が末端にまで浸透していなかった
・悪の組織のリーダーのフラダリさんに迷いがあって悪を貫き切れていなかった
・悪の組織のリーダーのフラダリさんのヘアースタイルが斬新すぎた
・私はロリ属性ではないので友人枠はもう少し大人のほうが好みだった
・かわいい女の子がいない(致命的)

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オメガルビー・アルファサファイア(ORAS)

オススメ度:★★★★☆


見どころ1:正義は立場によって変わるもの

理由はどうであれ最終的にはポケモンをひとりじめしたいだけだった、過去の悪役たち。でもORASの悪役は違います。「グラードンの力で大地を増やせば世界は救われる」「カイオーガの力で海を増やせば世界は救われる」、本当にそう信じています。リーダーだけでなく幹部の面々も。人間味があって実に良い。その、人間の人間らしい愚かさを、カイオーガとグラードンが原始の力で一掃する! 自然はいつだって人間に無慈悲。

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見どころ2:12年前の旧作の世界線を見事に拾い切った力作

リメイク版って、ただ画質を上げて、ストーリーにちょっと色を付けて膨らませただけの、懐古厨のためのものでしょ? って思ってません? あなたがもしそう思っているんだとしたら人生の半分損してる。本記事冒頭でも損してた人は4分の1の損です。

今いる世界の1mmもない薄皮の向こうには、同じ名前の違う世界がある。
隕石が落ちなかったルビー・サファイアのホウエンと、
隕石が落ちたORASのホウエン。
メガシンカのないルビー・サファイアのホウエンと、
メガシンカのあるORASのホウエン。
魔法のある世界の私と、
魔法のない世界の私。

そういう設定に心くすぐられない人間なんているの? いるのだとしたら人生の半分損してる。これで8分の1。

エピソードデルタは、SF好きにはたまりません。
ヒガナちゃんの不完全さもいいよね。

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見どころ3:デオキシス

デオキシスの登場シーンを見るだけで、このゲームをやった元は十分に取れる。衝撃的。

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女の子

イズミさんがいい女。
カガリちゃんは…ゾクゾクするね…


星4つの理由

・リメイク元のルビー・サファイア・エメラルドをやっていないと理解し切れない伏線がある
・ルビサファやってなかったからそんなにダイゴさんを推されても困る
・エピソードデルタ攻略後の、伝説のポケモンの安売り感がやや心配 クレセリアゲットは無茶


サン・ムーン(SM)

オススメ度:★★★★☆


ついに来た! パラレルワールドが繋がる瞬間!

ドータクンの説明然り…
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ギラティナの説明然り…
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ポケモン図鑑によると、ここではない、違う世界を行き来できるポケモンが複数いるらしい。
でもポケモン界でそこに突っ込むのは、インド象問題(※)に切り込むことと同じでタブーだと、今まで思われてきたわけです。

それが!

本作にて、ウルトラビースト(UB)の存在で、真実であることがわかってきたわけです!!

UBというのは平たく言うと「”ウルトラホール”を通って別の世界から来たポケモン」なのですが、そのウルトラホールに研究員が迷い込んで行方不明になってしまっただとか、エメラルドの世界のホウエンでバトルフロンティアにいたはずのリラちゃん(かわいい)が記憶をなくしてSMの世界に流れ着いていたりだとかの事件があって、

…あれ、その理屈で言うと、

前作のORASでヒガナちゃんが隕石の落ちなかった世界のホウエンうんぬん言ってた件も、UBと何か関係が…?

前作ORASでハンサムが記憶をなくしていたのも、ウルトラホールを通ったから…??

などなど、謎が溢れて止まらなくなります。このへんはネット上にもたくさんの考察がありますが、難しすぎて私にはまだ理解できていません。ていうかこんなのわからなくてもポケモンは十分に楽しめます。



※インド象問題:初期のポケモンでは、ポケモンの生態を具体的に説明するために、インド象がよく引き合いに出されていました。しかしよく考えると、ポケモンの世界にインド象ははたして存在するものなのか? 存在する場合は、インド象とポケモンに生物学的な違いはあるのか? もしかして私たちの世界で言うところのインド象とは、ポケモンのことだったのか? 私たちは、考えるのをやめた。

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インド象を2秒で気絶させられる電撃を持つライチュウ、アローラの姿。


見どころ2:みんな大好き「閉鎖的な村によくあるおかしな家庭」

そうそう、こういう、小さな島や村みたいな閉鎖的な環境だと、狂った家庭とか、宗教とか、虐待とかが発生していても、それらの持つ力があまりに強大であるがゆえに不自然なまま集落に馴染んじゃうことって、あるよね…。

ルザミーネについて、家庭状況を知るだけでも十分やばいけれど、個人的にいちばんこのオバサンやべーなと思ったのは、リーリエの衣装について。リーリエは物語中で「服はいつもお母様が選んでいて…」と言っていて、だから自分で服を選んだのは初めてなのですが似合っていますか? と少しはにかみながらいつもとは違う大人びた服に身を包み主人公の前でふわりと一周してみせるという、リーリエファンにはたまらないエピソードがあるのですが、

リーリエの格好ってさ、
UBのウツロイドに、けっこう似てるじゃん…?

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もしやルザミーネ、リーリエにこの服を着せていたのは、ウツロイドを手に入れたいがあまりに、娘にウツロイドを重ねていたのでは…??

この説は「幼い娘にディズニープリンセスとかのコスプレみたいな格好させる母親なんてよくある話じゃん」みたいな軽いものではありません。ルザミーネは、ウツロイドに惚れ込んだあまり、無理矢理ウルトラホールを開けてあちらの世界に渡り、地位も、記憶も、自分を慕ってくれる人も全部捨てて、ウツロイドに寄生されることを選んだ女だ、というところまで知った今、ルザミーネは娘が可愛くて服を選んでやっていたのではなく、こんなグズで間抜けな子は娘ではなくウツロイドだったら良かったのにとか思いながら服を与えていたんじゃないかとか、むしろもうこれは娘などではなくウツロイドだと思い込んで生活を共にしていた瞬間もあったのではとか、容易に想像できて、私たちはもうドン引きするしか選択肢はありません。人間の闇。

で、そんな静かに狂った家族が、よその土地からフワッとやってきて、都市としては未発達のアローラに支部を作って慈善事業を展開している。蝕まれていくアローラ。ストーリー終盤で、ルザミーネは自分のやってきたことに少しばかりの罪悪感は抱けるようになった様子ではありますが、ルザミーネが残した慈善事業は潰れることなく続いていきます。ここが今までの過去作とまったく違う。去らない悪の組織。全部知ってるのに何も言わないビッケさん(巨乳)。アローラに明日はあるのか。こんなことに気づかなくてもポケモンは十分に楽しめます。

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見どころ3:新システム「島めぐり」「バトルツリー」もなかなかの社会闇

本作では「ジム戦」が廃止され「島めぐり」システムが採用されていて、それについては別に、おもしろいチャレンジだな、それもまたポケモンだな、と思えるのですが、危ういのはその島めぐりを担当する人物の人選。今までで言う「ジムリーダー」の代わりに「キャプテン」や「島キング」がいて試練を実施するのですが、まだノープランだから試練はやらないわ〜とか言い出す子がいたり、元国際警察でスカル団とも精通していて島キングはとりあえず頼まれたからやってるけど正直だるいわ〜感満載のおっさんがいたりと、せっかくの過疎の島の子供を盛り上げるための新しい仕組みなのに、しょっぱなからグダグダ感満載。

「四天王」「バトルツリー」に関しても同様で、寄せ集めの即席チームなので、あれ、さっきあそこでお会いしましたよね、おや、あなたはあの人のお嬢さんでは? みたいな、地元の小学校の同窓会に行くノリで四天王戦が進みます。バトルツリーに至ってはカントーやらシンオウやらから有名人ばっかり呼び寄せちゃってますからね。一時的な観光名所にはなるかもしれないけれど、長期的に考えたら、レッドさんもグリーンさんもシロナさんもアローラにずっといてくれるわけじゃないんだし、この仕組み、はたして続くのか…初代チャンピオンである主人公も、アローラの人間ではない(カントーから越してきたばかり)し…アローラに明日はあるのか…

で、違う角度から島を盛り上げようと、ククイ博士はプロレスに興じているわけですが、この取り組みも一部の島の人にはあまり受け入れられていないようで心配です。もうアローラ心配。ポケモンとか一旦置いておいて、スカル団と早く和解してエーテル財団とも折り合いを付けたほうがいいんじゃないかなと思う。でも村長はあんなだし…孫はこんな↓だし…アローラに未来はないかもしれない…相撲を取ってはみ出し者の再教育ができるなら苦労はしないのだ…

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こんなことを思いながらプレイしなくてもポケモンは楽しいですが、闇を抱えた社会をありのままプレイできる機会なんてなかなかないですからとてもオススメです。


見どころ4:「ポケモンの夢研究」でさらに繋がる世界

えーっククイ博士の奥さんのバーネット博士ってあのポケモンARチャージャーのバーネット博士と同一人物だったのー!? っていうかバーネット博士とBWのマコモちゃんって大学の同期だったの!? そんでマコモちゃんとアララギ博士も大学つながりでしょ…ポケモン界の最先端研究ってめっちゃ盛り上がってんだな…っていうかARチャージャーでゲットした(=ゆめのはざまに生息していた)ポケモンはすべて夢特性を持っているわけだけど、PDW(ポケモン・ドリーム・ワールド、ポケモンの世界で実際に寝つかせたポケモンが見ている夢の世界のこと)で捕まえたポケモンも夢特性、VC版初代から連れてきたポケモンも全部夢属性、と、いうことは、私たちプレイヤーの住む世界=ポケモン初代の世界=PDW=ポケモンにとっての夢の中の世界、ということだったりするの!?!? え!?!? 頭爆発しそう!!!!!

こういうところまで考えることも許されるのがポケモンの醍醐味だよ!!!!!!!


星4つの理由

・かわいい女の子が皆無。絶望。


がんばって極力簡潔に書きました

各作品の魅力をこれ以上簡潔に説明するのは不可能です…

世界のあり方、
人の心の弱さと醜さ、
信じること、
愛について。
ポケモンをやりこむこと、それすなわち人生勉強です。

読んでみて興味が湧いた方も、さっぱりわからなかった方も、とにかく夏のうちにポケモンをやってみてくださいね! 9月には金・銀のコンソールバーション、11月には最新作のウルトラサン・ウルトラムーンが待ってますよ!!!

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