ひたすら泳ぎこむだけのトレーニングから脱却しませんか

スイミングスクールのコーチや、水泳協会のメンバーとして泳ぎを教えている方、もちろん全員が全員じゃないけど、会ってきた人たちの大抵の意見は、こう。

「マスターズになったら、タイムなんてもう縮まりませんよ」

でも、実際にマスターズで活躍している人の話を聞くと圧倒的に多いのは「歳を重ねても生涯ベストを更新し続けてる人はたくさんいる」派の意見。

私も完全に後者で、自分自身のタイムも、周囲の水泳仲間のタイムも、まあ〜まだまだ縮まると思っています。


人間は自分の中の知見だけで世界を決めつけてしまういきものだから

どうやって縮めるのかという話は今日は置いておいて、ずっと疑問だったのは、なぜ水泳関係者、しかも泳ぎを教える立場として何年も活動して来ているはずの方々に、冒頭のように「マスターズ(大人)になるとタイムは縮まらない」なんて言っちゃう人が一定数いるのか、ってこと。

これ、最近なんとなくわかってきました。



水泳のコーチという職業でサラリーを受け取っている人の大半は、

「マスターズになると、つまり歳を取ると、”高強度のスイムトレーニング”を、”毎日”、”何時間も”やるのは不可能だから、それで”タイムはもう縮まらない”」。

そう考えているのではないでしょうか?



もう少し噛み砕くと、

「自分は、高強度のスイムトレーニングを毎日何時間もやることで速くなってきたし、それがタイムを伸ばす唯一にして最大の方法に他ならない。とにかくすべて全力で泳ぎこむこと。今の子供達にも心を鬼にして何度もやり直しを命じたりしながらそれを繰り返し伝えている。しかし、マスターズはそれをすると、すぐケガをしたり、練習内容に文句を言って退会したりされてしまい、レッスンにならない。スポーツクラブのスタッフや市の水泳連盟としてマスターズを担当するなら、差し障りのない楽しいレッスンをして、毎日プールに来てくれれば上々。大会出場も誘いはするけれど、マスターズが大会に求めているのは、発表会の場でしょ。子供はガチだけどマスターズは趣味なわけだし。」

心どっかでこんなふうに思ってる人、実は結構いるでしょーーー!? 知ってるんだよ私は詳しいんだ



ばか!!!!!!!!!!!!!!!

趣味だからこそ突き詰めるのだろうが!!!

それすなわち「ガチ」。マスターズはガチ!!!



ウン年前の自己記録はもう一生更新できないの前提で、ウン万円のレース水着を取り寄せ、ウン千円払って大会にエントリーして、いくつもレースに出て、でもタイムは更新できず疲れて帰ってきて、それで楽しい変態がいるか!?!?! おらんわ!!!!! (まあビールは美味いんだろうけど)

ある程度泳げるようになったなら、次はもっとスマートに速く泳げるようになりたい、って思うのは子供も大人も変わらないはずだし、時間的にも金銭的にも自由のききやすい大人だからこそ、有料プログラムだとしても気前よく参加してみたり、地元のスクールに参加するだけでは飽き足らずに辰巳やら横浜国際やらの練習会にも申し込んでみたり、新作水着が出たとなれば試してみたくなったりして、大人なりにタイムを追求してみてるんだけどな???

ていうかそんなのはお互いに知ってることだろうから、噛み合ってないのはこの一点なのかなあ。



「どうすれば今より速くなれるのか」の考えの違い。



プルの軌道が力任せのめちゃくちゃだったり、呼吸のたびにキックが止まるような泳ぎをしている人が、毎日がむしゃらに泳ぐだけで速くなるのには、そりゃ限界もあるわけで、こなすのが難しい高負荷メニューを課して日々の制限タイムに急かされるより前にまず、泳げないときに習ったままの初心者フォームを見直して、全力で突っ込むだけのレース配分を直せば、それだけで全国のマスターズの7割はタイムが変わるって、私は思うんです。

まあ、私はこれを「宗派の違い」と呼んでいて、信じるものの相違を解りあうのは難しいことなので、考えの合う人のところに自分が移動するのが、いちばん手っ取り早いかなって思っちゃっていますが…。



(他の宗派としては「速くなりたいならまず筋肉。パドル練やフィン練をガンガン取り入れ負荷をかけるか、ジムへ行って筋肉を身につけるべし派(とにかく全力で泳ぎこむ派の亜種)」、「速くなった実感が湧くまで大会には一切出場しない派(バカスカ泳いだところでタイムが縮まるわけじゃないでしょ派の極論勢)」などがあります。いやどれもあっていいんだよ? いいんだけど、程度問題だよね? って話です)



いやね、わかるんですよ、そういうことをきちんと言ってくれるスイミングのコーチもちゃんといますよとか、最新の泳ぎの指導とか本当はやりたいけどスイミングの方針として「マスターズの方へのクロールのフォーム指導はS字を書くように」って決まっちゃってるから、とか、わかるんだけどさー!

でも、体感として、フリーのインストラクターとして活動しているコーチや、スイミングに所属せずチームを作って活動している人たちのほうが、強度はひとまず置いておいてのフォーム確認に時間を割いているケースが圧倒的だな、というのは、あります。タイムを急かすだけなら「もっと速く泳げ!」って言うだけだけど、フォームを指導するとなるとひとりずつ丁寧に見なくちゃならないからコスパ悪いし、時間もかかるしね。大規模なビジネスにはしづらいよね。うんうんわかる。わかるよ。

それでも、そうだったとしても、生涯スポーツとしての水泳ってなんなのかって話ですよ。最近びっくりしたのは、有名な強豪マスターズチームが辰巳でいちばん端のコースを借りて練習していたので見ていたところ、1時間ひたすら、飛び込んで15mまでのけのびの練習しかしていない日があったこと。台上での体重のかけ方、入水角度、入水後の姿勢、水上から水中から撮影しながら何度も何度も試行錯誤していて、ははぁ、そういう練習もあるのかぁと。そんなの、コナミでもイトマンでもメガロスでも教わらなかった…頭から飛び込んで怪我するくらいなら腹打ちでいいとか、回数重ねてお腹に青あざ作ってるうちに上手くなるよとか、そんなのしか教わらなかったよ…(╹◡╹)


だからどうっていうんじゃないんですけど

「がんばって練習してるのに全然タイムが伸びない…もう私、水泳は向いてないのかも…」って思っちゃう燃え尽きマスターズスイマーが毎年一定数出てしまってるんじゃないかなっていうのが、今、いちばんもったいないなって思ってるんですよ! あとは「若い頃はそこそこがんばってたけど、もうがんばれないからタイムはいいや」って思っちゃう打ちひしがれマスターズスイマーね! ああもったいない!

そう感じちゃってる人は、見ている世界をちょっと変えてみるのも作戦のひとつだと思いますよ。いつもとは違うプールで、違うコーチのアドバイスを受けてみたり、違うチームの練習に出てみたりすることは、「逃げ」でも「迷い」でもなく「貪欲な吸収」であり「賢い選択」です。知見が増えることで自分が目指すべき方向性も固まるはず。もしくは高瀬と一緒に、フィンを履いてみるか、海で泳いでみるかしてみよ〜!!!!!(*´◒`*)



(何度も言いますけど、どの宗派も別に間違っているわけではなく、単にフェーズや程度の問題ですし、スイミングはどこもダメだとかどこのコーチが最悪だとかそういう話でもないですからね! あくまで一般論としてね! って言っておかないと角が立つ方面もあるので言っておきますね!)

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コメント

  1. 匿名 より:

    泣けた。今 悩んでいることを全部書いてあって スッーと気持ちが楽になった。
    よっしゃ! 頑張ります。ありがとうございます。

    • sakata1059 より:

      そう言っていただけると、私も書いた甲斐があります。
      「速くなる」という目的を達成できるなら、手段は人によって違ってきていいはずです。従来のやり方のみに縛られることなく、視野を広げていろいろ試してみてください。お互いがんばりましょー!

  2. 福家好宏 より:

    いつも楽しく拝見しています。特にマスターズ水泳 ・ トレーニング・フォーム論については共感することばかりです。練習日記のすゝめを読み、私の拙い文章ですがブログを開設しました(汗)また、楽しい記事を楽しみにしています。

    • sakata1059 より:

      こんにちは!このブログに書いたことが福家さんにとって水泳へのモチベーションのひとつになっていたらとても嬉しいです。キツい設定のメニューをただただこなすだけの練習は、おもしろくないですもんね〜。お互い工夫して、水泳もブログも楽しんでいきましょう(*´◒`*)♪

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